リコ - ワレイカ ダブ - リリース

jamaicalove2004-06-02


レゲエ好きなら一度はリコの名前を聞いたことがあると思う。
スカ時代からのトロンボーン奏者でドン・ドラモンドの後輩にあたる。

  • ジャマイカ独立前にイギリスに渡り、スカ〜スキンヘッド・レゲエ〜ルーツの時代に不遇の時代を過ごしたが、1976年アイランド・レコードからリリースした「MAN FROM WAREIKA」でその実力を開花させた人である。その後、スペシャルズのジェリー・ダマーズに誘われ、2トーン・レーベルに参加。スペシャルAKA解散後はジャズ・ジャマイカやソロ・アルバムで日本にもファンを増やし、2002年には初めて自分のバンドを率いての来日をフジロックで果たした。

その「MAN FROM WAREIKA」のダブアルバムが6月23日、この日本でCDとして正式リリースされる。

  • このダブアルバム(WARRIKA DUB)はGHETTO ROCKERSというレーベルからプレリリース(プロモーション)されたもので、その枚数は数百枚程度といわれていて、マニアの間では幻のアルバムと言われていたものである。というよりもマニアしか知らないアルバムだった。
  • これをリリースするのはユニバーサル・インターナショナル。昨年アイランド・レコードのオムニバスでリコのアイランド時代の未CD化だった4曲を収録したものをリリースしたレーベルである。今回も仕掛け人はあの人か?
  • マスターテープなど存在するはずもないから、当然、盤起しとなるのだが、オリジナルの程度はさまざまでベース音のすごいものや、録音レベルの低いものもある。その辺がひとつ心配である。

マン・フロム・ワレイカの中でも誉れ高い1曲に「アフリカ」という曲がある。ほかの曲はすべてリコの十数年ぶりのジャマイカ録音なのだが、この1曲だけはイギリスに移住してきたジャマイカ人たちとのセッションである。また、この曲だけコーラスが入っている。コーラスのクレジットを見るとアイジャーマン(I JAHMAN)とある。しかしどう聞いても女の声である。しかしワレイカ・ダブのほうにはしっかりと彼の声が入っているのである。泣ける、しみるのである。

  • I JAHMANにとって、これが初めてのレコーディングになった。彼はこのレコーディングをきっかけにアイランド・レーベルとシングル契約を結ぶ。それが後に彼のファースト・アルバム「Haile I Hymn」となる。
  • 実はそのI JAHMAN名義の「アフリカ」がワレイカ・ダブと同じGHETTO ROCKERSからリリースされていたのである。写真がそれである。多分ワレイカ・ダブを知っている人も知らなかった事実である。本当にリリースされたのか(もちろんプロモだが)、何枚あるのかは分からない。しかし、フルボーカル・バージョンの「アフリカ」を想像するだけで涙が出てくる。それほど美しい曲なのだ。

「ワレイカ・ダブ」と同時に「マン・フロム・ワレイカ」も再発されるのだが、こちらはボーナス・トラック(多分「DIAL AFRICA LIVE」)が収録されてタイトルも変わるらしい。SIMPLY VINYLのリリースがアイランドの再発ライブラリーとダブっていたが出されなかった。変わりに「ワレイカ」から1曲除いたものに「ミッドナイト・エチオピア」からの曲がついて「ルーツ・トゥ・ボーン」というタイトルでアイランドからCDが出されたことがあったが、オリジナル・タイトルで出して欲しい。

  • ちなみにリコは今年70歳になる。

FROM JAMAICA WITH LOVE